賃貸物件の原状回復義務の範囲や負担費用について徹底解説
#ジャーナル 2022.12.13

賃貸物件の原状回復義務の範囲や負担費用について徹底解説

住んでいる賃貸住宅を退去するとき、賃貸の管理会社は必ず部屋の状態がどうなっているかを確認して、傷や汚れがあった場合は、退去者に原状回復費用を請求します。

原状回復とは、住んでいた部屋を住み始める前の状態に戻すという入居者の義務ですが、どこまで対応しないといけないかご存じでしょうか。

原状回復に関するトラブルはとても多く、知識を付けたりしっかり準備をしないと、本当は負担しなくてもいい部分まで負担させられてしまうケースもあります。

そこで今回は、円満に退去して気持ちよく新しい生活をスタートできるように、原状回復に関する正しい情報をご紹介します。

そもそも原状回復とは?

原状回復とは、住んでいた部屋を住み始める前の状態に戻すことです。

原状回復とは、住んでいた部屋を住み始める前の状態に戻すことです。

具体的な例を挙げて言うと、床や壁のへこみや傷、収納棚の扉の故障など、あなたの入居中に発生した不具合は、あなたが直してから退去するということです。 この原状回復は入居者の義務で、民法621条にも定められています。つまり、原状回復を避けて通ることはできません。

ですが、例えば10年住み続けていたとすると、家具を置いていた床に跡がつくのは当然ですし、壁紙は日焼けして色落ちしてしまうでしょう。
他にも10年も経てば傷や汚れはどうしても出てきてしまいます。そのようなものまでも入居者が入居前の状態に戻さないといけないのでしょうか?

次はそのような「どこまでやればいいの?」という疑問について解説します。

原状回復義務の範囲は?

原状回復の範囲について、通常の生活をする中で発生する傷や汚れ(通常損耗)と経年による自然劣化は、入居者が負担する必要はありません。

まずは先ほど言及した民法621条の条文をご紹介します。

第621条

賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

この条文から読み取れるように、通常の生活をする中で発生する傷や汚れ(通常損耗)と経年による自然劣化は、入居者が負担する必要はありません。
しかし現実には、傷や汚れが過失によるものか、通常損耗によるものかで、入居者と管理会社の間で意見が別れてトラブルに発展することが多くあります。

このような事態を回避するために、国土交通省から原状回復の費用負担などのルールに関するガイドラインが公表されています。
ガイドラインの詳しい内容を確認したい方は、以下のリンクからチェックしてみてください。

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(国土交通省ホームページ)

このガイドラインは、原状回復に関するトラブルを未然に防止するため、住宅の賃貸契約の標準的な考え方、裁判例などを考慮して原状回復の費用負担の在り方について、妥当と考えられる一般的な基準を取りまとめたものです。

国土交通省のホームページ内にも記載されていますが、ガイドラインはあくまでも一般的な基準を示したものなので、あまりに不適当な内容でない限り、既に契約している賃貸借契約の内容が有効になります。

ガイドラインはあくまで、契約書に定めがなかったり、取り決めがあいまいな場合、また明らかに取り決め内容に問題がある場合に、話し合いで解決する時の参考程度に使用します。

つまり、トラブルを未然に防止するために重要なのは、「入居時に契約条件をしっかりと確認しておくこと」です。

原状回復は、退去時の問題なので、入居する前から契約書の内容をしっかりと確認して理解することは難しいかもしれませんが、契約書には入居から退去のことまで全て記載されているので、しっかり契約内容を理解しておきましょう。

原状回復費用の相場は?

原状回復の相場費用は、各箇所1~5万円程度です。

ここまでの解説で、どのような場合に自己負担になるのかはある程度お分かり頂けたと思います。
もし原状回復義務を負うことになったら、どのくらいの費用になるのか気になる方も多いでしょう。

そこで次に、原状回復で修繕する項目別に、金額の目安をご紹介します。
金額はあくまでもよくある一般的なケースにおける相場なので、参考程度にお考えください。

項目金額
壁や天井の下地ボードの取り替え2〜6万円
フローリングの張り替え1〜3万円
クロスの張り替え(1㎡あたり)1,000〜3,000円
水回りのカビや水垢5,000〜2万円
キッチン周りの汚れ1.5〜2.5万円
フローリングの汚れ1〜2.5万円
全体のハウスクリーニング(1K〜1LDK)2〜5万円

まとめ

今回は、賃貸の原状回復やその費用の相場に関して解説しました。

原状回復と聞くと退去の時のことと思うかもしれませんが、入居の時から考えておくべきことだということをお分かり頂けたと思います。

退去時に原状回復をめぐってトラブルになることは多くあります。

そのようなトラブルを防ぐためにも、契約の条件はしっかり確認して契約すること、日頃から清掃してきれいに生活することを意識してみてください。

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